新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)

新・都市論TOKYO (集英社新書 426B)

読み切った。

町田にはどこかか染み出てきたような、垢抜けしない泥臭さのようなものーそれをリアリティと呼んでも良いであろうーが、私鉄的なフィクションの隙間から顔を出し、流れんばかりの勢いで、街全体を覆っている。こじゃれたファッションブティックの隣で、昔ながらの乾物屋が賑わいを呈し、また一歩路地に迷い込めば、外国人の客引きが風俗店へと誘う客を品定めしている。(中略)そんなわけの分からない混在がこの街では状態化しているのである。


絵の具の塗り残しの隙間から顔を出す、それらの「生すぎる」ほどのリアリティは、都心部に散在する、いわゆる「下町的」なるものは、それがいかに濃密であろうと、オーセンティックであろうと、すでにテーマパークの趣向の一つとして登録済みであり、どんなに気張ったところで、しょせんは20世紀的フィクションの内側のものにすぎないからである。